「うま味」【相乗効果】でおいしさ倍増「昆布 ✕ 干し椎茸」のだしの取り方と出し殻料理

食材・料理の知識と知恵
Pankun のプロフィール
山口県出身、福岡育ち56歳
IT関連のサラリーマン。
Pankunは、チンパンジーパンクンと耳が似ている息子のあだ名。
趣味は料理をつくる、食べる、食材を知ること。食生活に関することなら何でも興味があり、食生活アドバイザーの資格を取り、食生活の知恵と情報を発信しています。

こんにちは! 食生活アドバイザー(R)Pankunです。

今回は、昆布、鰹節に干し椎茸を加えた、三大うま味成分を使った贅沢な出汁を使った料理をご紹介。

【相乗効果】とは、二種類の成分を混ぜ合わせたときに、それぞれ単独の味よりもうま味を強く引き出す効果のことをいいます。

昆布、鰹節、干し椎茸には、それぞれうま味の成分が豊富に含まれていますが、掛け合わせることで、うま味が数倍に増えることがわかっています。

これらの食材を使った和風の出汁は、どんな料理でも、おいしくなるので、ぜひ試してみてください。

「三大うま味」成分とは?

料理の味覚は(甘味、塩味、酸味、苦み、うま味」によって構成され、「うま味」は、料理のコクやまろやかさなど、おいしいと感じる料理のベースとなる成分です。

うま味成分は、様々な食材にも含まれていますが、最も多く含まれているのが、3つの食材。

①グルタミン酸 昆布

②グアニル酸  干し椎茸

③イノシン酸  鰹節

☆うま味成分が含まれているその他の食材はこちら。

料理のおいしさが倍増する、三大「うま味」成分が多い食材は?

昆布に干し椎茸を加えると、【相乗効果】により、「うま味」成分が増加します。

一番だしと二番だし取り方

「一番だし」、「二番だし」という出汁の取り方があります。

それぞれに特徴があり、料理によって使い分けます。

★一番だしと二番だしの違い

「一番だし」は、素材を煮詰めずに、うま味を抽出し、濁りや雑味がない上品で香り豊かな出汁。

料理では、薄味のお吸い物や茶わん蒸しに使います。

「二番だし」は、出汁の出し殻を煮詰める方法でより、うま味を抽出することができますが、雑味も抽出されます。

二番だしのの雑味は、野菜、鶏肉などの素材、さらに醤油やみりん、酒などの調味料を使うことで料理にコクが出てきます。

味噌汁や煮物、炒め物など味の濃い料理に使います。

ただ、一番だしだけを使う料理(上品な薄味)なら分けて取ります。

でも、味噌汁や煮物料理(味の濃い)に使うことが決まっているなら分けずにとった方が最大限にうま味を抽出できます。

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★一番だしと二番だしの両方を取る方法

一般家庭の料理で、「一番だし」だけを使うことは、ほぼないので、両方のうま味を生かす出汁の取り方を紹介します

【昆布✕干し椎茸の出汁の取り方】

材料:水1ℓ、昆布10g、干し椎茸50g、(タッパーやピッチャー)

①昆布の表面をキッチンペーパーを水で濡らして硬く絞ったものでふき取ります。

(昆布の表面の白い粉は「グルタミン酸」なので洗うと流れてしまうのでふき取る)

②干し椎茸を水でさっと洗う

(干し椎茸は、すぐには戻らないので軽く洗っても大丈夫)

③タッパ―に水1ℓを入れる

④昆布を表面を入れる

⑤干し椎茸を入れる

⑥8~10時間冷蔵庫で保存する

★これで、一番だしは完成

⑦出汁を弱火でゆっくり加熱する

(一気に沸騰させると、昆布、干し椎茸のうま味を最大限に引き出せない)

⑧アクを取る

(雑味を取り除く)

⑨沸騰する前に火を止める(80度で火を止める)

⑩素材を取り出し、沸騰させる

★昆布✕干し椎茸の出汁が完成

★「うま味の相乗効果」を生かした出汁をとるポイントのまとめ

①昆布は洗わない

昆布の表面の白い粉(グルタミン酸)を洗い流さなずに軽く拭きとる

②8~10時間置く

干し椎茸は、水で戻すときに「うま味」成分が抽出されますが、完全に戻すには8~10時間かかる

③沸騰させない

昆布も干し椎茸も「うま味」が最も抽出される温度は60度とされています。

特に昆布は、80度以上では、「ぬめり」が出てしまうので、臭みや雑味まで抽出されるので要注意。

④素材を取りだして沸騰させる

素材を取ったあと沸騰させることで臭みをとる

★なぜ「干し椎茸」を使うの?

椎茸には、生椎茸と干し椎茸があります。

一般的にスーパーの野菜売り場では、野菜売り場が「生椎茸」で、乾物売り場には「干し椎茸」があります。

違いは、栽培方法。

生椎茸・・菌床栽培(1年中収穫できる人口栽培)

干し椎茸・・原木栽培(自然環境で春と秋に収穫)

個の栽培方法の違いにより、椎茸が保有するうま味成分「グアニル酸」の保有量が全くことなります。

生椎茸には、殆ど「グアニル酸」が含まれていませんので、出汁を取るには不向き。

一方干し椎茸は、一般のキノコに比べてグアニル酸が10倍も含まれています。

なので、出汁を取るときには「干し椎茸」(原木栽培)のものが適しているわけです。

★干し椎茸と生椎茸の違いについて詳しくはこちら

干し椎茸と生椎茸の栽培方法の違い美味しいのはどっち? 干し椎茸の出汁の取り

出し殻昆布を使って料理をつくる

出し殻昆布は、捨てずに、昆布巻きや佃煮など料理に活用できます。

簡単に作れるのが「昆布の佃煮」

出し殻昆布にも「うま味」は勿論!多くの栄養分も含まれています。

★昆布の栄養分

昆布には、ミネラル(マグネシウム、カリウム、ヨウ素)がたくさん含まれています。

ミネラル:体の構成部分となったり、体の調子を整えたり働きがあります。

・マグネシウムは、血圧を調整する。 

・カリウムは、腎臓の老廃物を排出する

・ヨウ素は、成長を促す

そして、昆布に含まれる「アルギン酸」は、高血圧や動脈硬化に高い予防効果があると言われています。

 

★出し殻昆布で佃煮をつくる

だし昆布は、煮物用よりも硬いので、柔らかい食感にするために細切りにして「お酢」で煮込むのがポイントです。

材料:出し殻昆布100g、お酢大さじ5杯、醤油大さじ3、酒大さじ2,みりん大さじ1、砂糖小さじ1

<作り方>

①出し殻昆布を千切りにする

②鍋にお酢、出し殻昆布を入れて弱火で煮る

③お酢がなくなる程度まで煮込んで火を止める

④醤油、酒、みりん、砂糖を入れる

⑤弱火で調味料が無くなるまで煮上げる

⑥ごまを振る

★出来上がり

だし昆布の硬さが無くなり、柔らかなうま味たっぷりの昆布の佃煮ができます。

椎茸の出し殻と合わせるのもうま味相性抜群。

干し椎茸の出し殻の活用は沢山

干し椎茸は、戻せば通常の椎茸と同じように料理につかえます。

干し椎茸は、肉厚で、うま味が凝縮されているので、椎茸を味わう料理でで頂くのがベストだと思います。

★干し椎茸を味わう料理

☆椎茸の天ぷら

☆椎茸のバター炒め

☆煮しめ

昆布と干し椎茸のうま味の相乗効果をいかして、出汁や料理に活用してみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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