こんにちは! 食生活アドバイザー@Pankunです。
煮干しとは、カタクチイワシなどの小魚を煮て干した加工食品です。
主に出汁を取るときに使われることが多いのですが、そのまま、おやつ代わりに食べることもあります。
ただ大きな煮干し(4~5cm以上)になると、内臓の苦みがあって、そのままでは美味しくないと思います。
また、出汁も苦みが移り生臭くなることもあります。
今回は、苦みと取って生臭くない、煮干し出汁の取り方と調理方法について説明します。
>
「煮干し」と「いりこ」の違い
煮干しと、いりこの違いは、呼び名の違い、同じ加工食品、西日本では「いりこ」、東日本では「煮干し」と呼ばれるようです。
素材は主に「カタクチイワシ」(小魚)を使い、小魚は鮮度がおちやすいため、煮て干す加工がされています。
いりこの由来は、主に瀬戸内海で獲れた小魚を煮て炒る(炒める)ことで乾燥させたことから「炒り子」と呼ばれているようになったとか。
今は、煮たあとは「干す」つくりかたが一般的です。
カタクチイワシの漁獲量は、1位長崎県(28%)、2位三重県(11%)ですが、地域では約25%が瀬戸内海産です。
>
煮干し出汁の特徴
煮干しには、うま味三大うま味成分のひとつ「イノシン酸」が多く含まれています。
うま味三大成分とは、味覚の五基本味のひとつで、料理に深みをあたえます。
さらに栄養素が高くカルシウム、ビタミンD、鉄が豊富。
★三大うま味成分
①イノシン酸(煮干し、鰹節など)
②グアニル酸(干し椎茸)
②グルタミン酸(昆布、白菜、玉ねぎなど)
この三大うま味成分を合わせると【相乗効果】がうまれ、より美味しい出汁がとります。
★煮干しの主な栄養素
・カルシウムが豊富(100g2200mg)
牛乳の20倍ものカルシウムを含む、1日に必要な摂取量750mg
・ビタミンDが豊富(100g 18μg)
・鉄分(100g 18g)
1日に必要な摂取量6.5g
カルシウムと一緒に骨や歯をつくり免疫力を高める働きがある。1日に必要な摂取量は8.5μg
・DHA(100g 320mg)
脳の活性化、学習能力を高める必須脂肪酸
・EPA(100g 260mg)
必須脂肪酸のひとつ、動脈硬化、脳梗塞を予防する働きがある
>
全ての栄養素を煮干しからとることはありませんが、日常的に食卓に煮干しを取り入れると良いと思います。
(煮干し30g=5㎝程度の煮干しで50匹程度)
>
煮干しの生臭さ、苦みを取り除く出汁の作り方
煮干しは、うま味成分が豊富なので、かなり美味しい出汁がとれます。
ただ、煮干しは生臭さもあります。(特に大きくなればなるのど、内臓の臭みが強くなる)
せっかくの出汁も生臭さが残ってしまうと料理にも移ってしまいます。
>
★煮干しのはらわたを取り除く(下処理)
①煮干しを半分に割り、はらわた(内臓)を取り除く
内臓には臭みがあるので取り除きます。
>
②頭をとる
エラには、毛細血管が集まっていて、これも臭みの原因なので取り除きます。
これで下処理完了。
>
★下処理の時間がない場合
小さめの煮干しを使います。(3㎝以下)
小さいほど、内臓が発達していないため臭みや苦みが少なくなります。
時間がない場合、このくらいの煮干しを丸ごと使って出汁をとる方法もあります。
>
>
煮干しと昆布で出汁をとる
昆布のうま味成分「グルタミン酸」と合わせて相乗効果をだします。
①昆布と一緒に煮干しを水に浸ける
>
②6~半日冷蔵庫で寝かせる
>
③中火にかける
昆布を取り出して、5~6分間煮る(ぐつぐつと沸騰させない)
④ペーパーで沪す
これで,旨味がしっかり抽出された煮干し出汁の出来上がり!
>
こだわりの瀬戸内「朝獲れカタクチ鰯」
煮干しはどれも同じと思う人多いと思いますが、「朝獲れ」と「夕獲れ」があり「朝獲れ鰯」を使う料理人のかたは多いようです。
鰯は、夜は餌を食べないので、「朝獲れ鰯」は、臭みや苦み少なく新鮮さがあり、日中の間に餌をたくさん食べた「夕獲れ鰯」は、臭みがあり、乾燥後に腹赤と言われお腹の部分が赤い鰯になるそうです。
カタクチ鰯は小魚ですが、成長するほど内臓が大きくなり、はらわたの臭みや苦みも増えてくるので、「朝獲れ」にこだわりがあるのでしょう。
伊吹いりこだからどれも同じでしょう?
よくこう言った声を聞きますが違います。
同じいりこでも時期や場所・天候によって品質は変わってきます。
同日に同じ場所で漁獲されたいわしでも朝早く獲れたいわしと夕方獲れたいわしでは品質が全く違います。いわしは夜の間は餌を食べないので朝獲れのいわしはまだ餌をとっていないので臭みや苦味が少ないのです。
夕方獲れたいわしは餌をたくさん食べているので臭みがあり乾燥後、腹赤と言われるお腹の部分が赤いいわしになったりします。 梅雨明けのいわしも川からの栄養分をたくさん含んだ水が海に流れ込み海水中のプランクトンが増えるのでよく太った脂いわしが多くなります。
又、自然環境的要素以外にも人的要素の加工段階での取り扱い方でも製品に差が出ます。渡海屋 有限会社 藤田水産 ホームページより引用食べる大羽いりこ(伊吹いりこ) - 「渡海屋」 瀬戸内こだわりの海産物屋、有限会社 藤田水産「獲れたて、まんまの味を。素材本来の旨さをお客様に味わってもらいたい。」 日々そんな思いでお客様に大量生産の商品では味わえない、真心をこめて1つ1つ 手作りで製造したこだわりの商品をお届け致します。
★瀬戸内こだわりの煮干し
>
出がらしの煮干しを使って佃煮をつくる
出がらしの煮干しにもうま味や栄養分が含まれているので料理にも使いましょう。
★佃煮の作り方
材料:煮干し(出がらし)50g程度、お酒適量、生姜適量、椎茸1つ、醤油、みりん大さじ2、きび糖大さじ2糖
①煮干し(出がらし)の水分をとる
②椎茸を薄切りにする
②煮干しが浸る程度にお酒を入れて沸騰させる
③沸騰したら、生姜、椎茸、醤油、みりん、きび糖を入れて弱火で煮詰める
④汁が無くなる程度で火をとめる
出来上がり!
椎茸には、「グアニル酸」という三大うま味成分があり、煮干しとの相乗効果でうま味が増します。
>
煮干しには、とうま味、栄養素が沢山含まれているので、ぜひ出汁や料理にも使ってみてください。
>
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント